イタリアワインの最高峰のひとつ。それが、バローロです。
バローロは、イタリア北部にあるピエモンテ州にある場所で、ネッビオーロと呼ばれる黒ブドウ品種から単一の高級赤ワインが造られています。
バローロを制することが、イタリアワインを制すとも言われているほど複雑かつ玄妙。
カジュアルで果実味たっぷりのイタリアワインとはまた違う、イタリア人の繊細な部分が楽しめるバローロの世界について解説していきます。
「ワインの王様」と呼ばれるイタリアワイン「バローロ」とは?
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バローロは、イタリア北部のピエモンテ州のDOCG。
もっとも厳しいカテゴリと言われてるDOCGを長年守り続けている伝統のある産地であり、バローロは「ワインの王様」と呼ばれています。
バローロとよく比較されるのは、バルバレスコなのですが、こちらはワインの女王と呼ばれているなど、イタリアワインの二大巨塔の一つといっても過言ではありません。
そんなバローロを名乗れるワインですが、ネッビオーロ種と呼ばれる大変繊細で貴重な黒ブドウのみを使用して造られる赤ワインと定められています。
白ワインも多少造られていますが、それは珍しいパターンなので、ほぼ全てが赤ワインと考えて良いでしょう。
バローロに使用されているネッビオーロ種は、酸が繊細で、タンニンも豊かなワインとして知られています。
しかしアントシアニンが少なく、2年熟成であっても長期間熟成させるような独特の枯れた色合いを示すところが特徴と言えるでしょう。
バローロは、名前だけが先走りしてしまい、全てが同じような味わいのワインだと思われていますが、実は生産地によってもスタイルが変わって来ており、生産者の哲学によっても変わります。
トルトニアーノと呼ばれている青みがかった泥灰土が主体で、砂が混じったり、石灰粘土質だったり、赤茶色の鉄分が多い土壌だったりと、さまざまな土壌でネッビオーロが栽培されています。
ネッビオーロは、ランゲなどバローロではない場所でも栽培されていますが、バローロのみは最低熟成義務が3年と長く、これも価格を高めているポイントになっています。
アルコール度数も13%以上と、繊細でありながら力強さも求められるところが、ワインの王様と呼ばれる所以なのかもしれません。
バローロ五大生産地
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前述したように、バローロはひとつのDOCGではありますが、その産地は広く、広域に渡っています。
参照:バローロ村・トリノ近郊
大きく分けて、5産地があると言われており、それぞれに特徴あるワインが造られているのが特徴です。
ここでは、バローロの5大産地と呼ばれている場所を紹介していきます。ぜひ、参考にしてみてください。
カスティリオーネ・ファッレット村
バローロの中心部分に位置する村で、アーシーなニュアンスを持っている赤ワインを造ることで知られています。
有名な畑には、Villero(ヴィッレーロ)、Monprivato(モンプリヴァート)といったところが存在し、力強く飲み応えのあるバローロとして有名です。
また、東側の斜面にはロッケと呼ばれている畑が存在しており、ここは繊細で優美なワインが生まれることで知られている高級産地として話題です。
セッラルンガ・ダルバ村
バローロを造る村では、東側に位置しているセッラルンガ・ダルバ村。
この村は、生産量が少ないと言われていますが、伝統的なバローロを造る産地として知られています。
厳格なワイン、ということで長期熟成を経た高級バローロが多く生産されています。
Vigna Rionda(ヴィーニャ・リオンダ)、Parafada(パラファーダ)など、バローロ好きであれば誰もが一度は飲んでみたい、垂涎の畑が並んでいる有名な村と言って良いでしょう。
カカオをはじめ、スパイスやなめし革のニュアンスを持つ赤ワインとなるなど、ブルゴーニュの高級ワインを思わせるレベルの高いワインが楽しめますよ。
バローロ村
バローロの中で一番有名なのが、その名前の通りのバローロです。
最も伝統的なバローロを生産している産地であり、カンヌビと呼ばれている畑は、トルトニアーノ土壌とエルヴェツィアーノ土壌が混ざっていることから、ワイン愛好家にも知られている有名な畑です。
まず、バローロとはどんなワインなのか知りたい方は、このバローロ村のワインからチェックするとスタイルが分かりやすいでしょう。
ラ・モッラ村
新進気鋭の若手が活躍する、ラ・モッラ村。
革新的で早飲みのワインが多く造られており、比較的低めの標高のバローロ産地の中でも、500mという高い標高で製造されていることが特徴的でしょう。
Cerequio(チェレクイオ)などはとても有名な畑ですが、全体に美しい景観が特徴的と言われています。
繊細さとエレガントさを兼ね備えた、女性らしさを感じさせるネッビオーロ種が特徴的と言えるのではないでしょうか。
モンフォルテ・ダルバ村
パンチ力のある、飲み応えのあるワインを生産する村がモンフォルテ・ダルバ村です。
モンフォルテ・ダルバ村では、ノルイソプレノイド系香気成分であるβ-ダマセノン由来のスミレのような香りを持っており、その華やかな香りが注目されています。
そんなモンフォルテ・ダルバ村のMosconi(モスコーニ)では、超濃厚なバローロが造られていることで知られています。
バローロの味が変化する条件
バローロの味わいが、ここまで変化するのはどういった理由があるのでしょうか?
ここでは、バローロの味わいの変化の理由を探っていきましょう。
生産スタイルの違い
バローロは、生産スタイルが大きく変わります。
前述した5大産地のように、場所によって標高や土壌、さらに日照量なども微妙に変わってきます。
ブルゴーニュ地方のようにクリュで分けられており、隣の畑であっても違いがある、というワインが生まれるのです。
さらに、生産者の中にも伝統的なバローロを醸す生産者もいれば、早飲みタイプの軽快なバローロを醸す生産者もいるなど、その哲学によって生まれるワインが全く違うというところも面白いでしょう。
ロゼワインやグラッパなどを造る生産者もいて、多様性があることは間違いありません。
作られる場所
バローロが造られるネッビオーロ種は、繊細なブドウ品種で、ピエモンテ州以外ではなかなか上手く栽培できないことから土壌や天候の変化を受けやすく、ヴィンテージによって味わいも大きく変わります。
これが、バローロの味わいが変化しやすい理由でしょう。
おすすめのバローロワイン【まとめ】
最後におすすめのバローロワインについて紹介します。
バローロ/ プルノット
画像引用元:https://www.enoteca.co.jp/item/list?_producer=190
プルノットは醸造家、経営者としても優れたアルフレッド・プルノットが手掛けた伝統あるワイナリー。
ランゲ村にあり、ピエモンテの伝統を守る厳格なバローロを生産する優良生産者のひとつです。
バローロ モンプリヴァート/ ジュゼッペ・マスカレッロ
画像引用元:http://www.vino-tastevin.co.jp/shopdetail/000000003339/
ジュゼッペ・マスカレッロと言えば、古典派のバローロを造る生産者として必ず名が挙がる注目生産者です。
余計な贅肉を切り落とした、すっきりと繊細さを感じさせるバローロを造り上げる、まさに名手として知られています。
バローロ/ エンリコ・セラフィーノ
画像引用元:http://www.enricoserafino.it/
エンリコ・セラフィーノは、さまざまな村のブドウをブレンドさせて造られることで知られ、その玄妙なバランス感覚が好まれているワインです。
ランゲの丘陵地帯で造られるバローロであり、洗練さと複雑性が楽しめる、と人気になっています。