イタリアは、世界最大規模のワイン大国。毎年、生産量の1、2位を争う有名な国ですが、実はイタリアワインについてあまり知らない方も少なくありません。
そもそもイタリアにおけるワインとは、どんな存在なのか。ここでは、イタリアワインの基本について紹介していきましょう。
イタリアワインの特徴① イタリアのワインは水より安い
日本でワインを購入する際、数百円代のワインもありますが、やはり「美味しい」と言われているワインは数千円、数万円してしまいます。
そのため、「ワインは高い」というイメージがあり、実際に高所得層が購入することが多いようです。
しかし、イタリアの現地の人たちはどんな方でもワインを楽しんでおり、ワインを「高所得者の飲み物」などと1ミリも思っていないのです。
その理由は、後述するようにイタリア全土でワインが造られており、かなりの生産量があること。
さらに、イタリアでは水を購入するよりワインの方が安く、私たち日本人がペットボトルでお茶を購入したり、缶ビールを購入する感覚でワインを飲むことができるためです。
そんなにワインが安いなんてあり得ない、と思っている方もいるかもしれませんが、100円以下で購入可能なワインも少なくなく、そういったアイテムを楽しんでいる方もいるのです。ちょっと驚きですよね。
さすがに、全てのワインがそこまで安いわけではありませんが、国内産ワインの多くは数百円で売られており、手軽にワインを飲めることは間違いありません。
こういった手軽さこそが、イタリアをワイン大国にしているとも考えられるのです。
② イタリアではすべての州でワインが作られている
イタリアは、半島合わせて20州存在していますが、実は全ての州でワインが生産されています。
つまり、全ての場所でブドウ栽培をすることが可能であり、それがワイン生産量を高めているわけです。
フランスこそがワイン大国、というイメージもあるのですが、フランスはワインを生産していない地方が存在し、北限のシャンパーニュ以北ではブドウ栽培も厳しくワインは造られていません。
こういった背景を考えると、イタリアがワイン生産量1位、2位という理由が分かってくるのではないでしょうか。
③ イタリアの気候はブドウ栽培に非常に適している
イタリアでは、なぜここまでワインが生産されているのでしょうか。
その理由としては、やはりブドウ栽培に適した土壌と気候など、良い条件が揃っているということが大きなポイントでしょう。
フランスの南側の産地は地中海性気候であり、ブドウ栽培がしやすいためビオ系ワインも多く見受けられます。
そのため生産量も多いわけですが、イタリアの場合は全ての産地が地中海性気候であり、それがブドウ栽培をしやすくしてくれるのです。
そもそも地中海性気候とは何かというと、一年を通して温暖で、夏場は気温が高くなるだけでなく乾燥状態になるという特徴があります。
日照量が多く、雨も少なくなるためブドウにとっては病害におかされる危険性が減少し、安定した生産量をキープすることが可能です。
ブドウは、夏場から秋にかけて収穫期をむかえますが、ちょうどその頃に雨量が多かったりすると、実に水分が行き渡り過ぎてしまう薄味のブドウになってしまいます。
もちろんデリケートな状態になっているため、カビが発生したり、害虫にやられやすくなったり、ブドウにとっては一切良いことがありません。
地中海性気候の場合、ちょうどこの収穫期に乾燥状態になっているため、健全なブドウが栽培しやすく、収穫量も安定し品質の高いワインを造ることができるのです。
北部イタリアは冷涼であり、地中海性気候に当てはまらないところもありますが、全体的にはブドウ栽培しやすい産地であることは間違いありません。
④ イタリアにはワインの個性や品質を保つための格付けが存在する
フランスワインを通販サイト選ぶ際、AOCという原産地呼称を手がかりに購入検討される方が多いと思います。
そしてイタリアワインの場合もフランスワインと同様に、実は同じイタリアワインでも細かく原産地が別れており、AOC同様の原産地呼称制度が存在しています。
それが、Denominazione di Origine Controllata法。
ここでは、このDenominazione di Origine Controllataについて紹介していきましょう。
D.O.C.G.
D.O.C.Gは、デノミナツィオーネ・ディ・オリージネ・コントロッラータ・エ・ガランティータの頭文字をとったもので、イタリアの原産地呼称制度の中ではトップカテゴリになります。
キャンティやバローロなど、有名産地はDOCGのカテゴリに属しています。
D.O.C.
イタリアでも多くの産地が認定されているのが、デノミナツィオーネ・ディ・オリージネ・コントロッラータです。
もともとはイタリアの中で最上位とされていましたが、同じ産地であっても品質が大きく違う産地も存在し、そういった問題が重なっていったことからDOCGが誕生したといわれています。
I.G.T.
IGTは、フランスでいうヴァンドペイ。原産地が記載されていますが、上位カテゴリよりも規則が緩い原産地呼称制度カテゴリとして知られています。
インディカツィオーネ・ジェオグラフィカ・プロテッタの略称であり、かなりの数のワインがこれにあたります。
V.d.T.
ヴィーノ・ダ・タヴォラの頭文字をとったこのカテゴリは、要するにテーブルワインのことで、DOP申請をしていないワインはこのカテゴリに入ります。
低質ワインと思われていますが、敢えてDOP申請を行わずに、自由な品種や醸造を経たワインでもあるため、中には驚くべき品質のワインが存在することもあります。
イタリアワインの醍醐味は、こういったワインで掘り出し物を探す、というところでしょう。
イタリアワインを通販で探す際は、事前にこういった専門知識について知っておくと、よりワイン探しが面白くなりますよ!